(07-002)ローマはなぜ滅んだか

ローマはなぜ滅んだか (講談社現代新書)

ローマはなぜ滅んだか (講談社現代新書)

マンションに不要な本を持ち寄った「文庫」ができて数ヶ月になる。子供向けの本でも「あっ」と思うものが時々あるので、最近2度ほど足を運んだ。本書はそこで何気なく手に取ったものである。
本著はまさに日本がバブル景気真っ只中に執筆されている。これは当時バブルに酔っていた日本人に対する警告という位置付けか。著者の弓削氏としては、あとがきに述べられているとおり、先行きに対する漠然とした不安を懐いている先進国の人々への「処方箋」だそうだ。
「中心」と「周辺」の置き換わりの繰り返しが「世界史の発展方向」であるという見方には賛成。日本史だってそうやって現在に至っている。では、現代の日本における、いや、世界における「中心」と「周辺」はどこだろう。経済・政治・科学・etc...それぞれの分野で見え方は当然違ってくるだろうが、その中で自分はどこに居るのか、自分の会社はどこに、業界はどこに、国はどこに...。子供たちの未来は? 不安と希望、どちらが大きい? 読みながら、また、読み終えた後も色々なことを考えさせられる。