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剣と薔薇の夏 (創元クライム・クラブ)

剣と薔薇の夏 (創元クライム・クラブ)

舞台は1860年の遣米使節団で盛り上がるニューヨークで、そこで起きる連続殺人事件の謎を追う歴史ミステリー。
既に小説化されている(剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫)剣と薔薇の夏 下 (創元推理文庫))みたいだが、読んだのはハードカバー版。457頁2段構成で、手に取ったときは「うわっ、長!」といった感じ。時代背景からか前半はスピード間が無かったものの、徐々にグイグイと引き込まれてしまった。遣米使節団の様子については小学校か中学校で知ったこともいくつか微笑ましげに書かれている。他に当時のマンハッタン島の風刺に加え、奴隷制度、人種差別、宗教と盛り沢山で、ミステリーとしてだけでなく、歴史小説としても読み応えがあった。結末はもう少し押しが欲しかったものの、読後感は満足。