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脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

しかしこれらの実験は、まったく反対のことを示唆している−あなたの身体のイメージは、持続性があるように思えるにもかかわらず、まったくはかない内部の構築であり、簡単なトリックで根本から変化してしまう。身体イメージは、あなたが自分の遺伝子を子供に伝えるために一時的につくりだした外形にすぎないのだ。

バーチャルリアリティを利用した映画「マトリックス」の発想の背景にはこういった研究の存在もあるのかな?、、、などと読んでいる最中に考えてしまった。ラマチャンドラン氏が看た患者の症状から、仮説を立て、そして実証していく様が、豊富な具体例と共にとても分かりやすく書かれている。脳ってやっぱり不思議だし、まだまだ未知の領域が広大に残っている対象なんだと、改めて気づかされた。「へぇ、そんなことが、本当に!」の連続。一読の価値はあった。