(05-024)

NobuHat2005-04-16

量子コンピュータへの誘(いざな)い きまぐれな量子でなぜ計算できるのか

量子コンピュータへの誘(いざな)い きまぐれな量子でなぜ計算できるのか

本書は、「量子コンピュータを一般的な常識だけで理解しようとする試み」であり、「高校生にも読めること」をも目指しているそうであるが、肝心の量子コンピュータに関する部分は、残念ながらかなり難解だった。
ただ、原子の発見・元素の発見・量子力学の発展等の各所にちりばめられている物理学の歴史や極低温技術や超伝導技術は丁寧に解説されており、分かりやすく大変面白かった。
肝心の量子力学量子コンピュータについて理解するためには、本書で解説されている理論をある程度習得する必要があるだろうし、物理学者ではない一般人の常識を振り捨てる必要もあるのかもしれない。今のところ、EPRは私にとっては「パラドックス」のままだ。容易に「現象」として信じることはまだできない。
高校生のときに読めば、好奇心を刺激されたかもしれない。物理学に取り組む姿勢にも大きく影響しただろうと思う。分からないなりに本書を読んで、理解できない部分をつぶしていこうと考える大きな好奇心を持っている人にとっては確かに「量子コンピュータへの誘い」になり得ると思う。