危ない少年たちを救え

危ない少年たちを救え

米国ボストンの私立男子校でカウンセラーを務める2人の学者が、現在米国で発生している少年による凶悪犯罪の増加を憂い、実例を紹介しつつ少年の心の問題を解説している。新聞の書評欄で目にとまり、息子を持つ父親としてかなり気になったので早速図書館から借りた。現在2歳の息子が成長する過程で何度となく読み返すだろうと思い、購入の予定。妻にも読んでもらいたいと考えている。
著者は、体罰・いじめ・引きこもり・自殺・飲酒・ドラッグ・セックス等の少年に関わる問題を取り上げながら、繰り返して"エモーショナル・リテラシー(感情の読解能力)"を少年に教える大切さを訴えている。つまり、自身の感情(特に怒りと悲しみ)を読み解く力をつけ、その感情を適切に表現する力と他者の感情を慮る力が少年の健全なる成長には必須だと訴えているのである。そして、親や教師がその読解能力をどの様に教えるべきかを分かり易く説いている。
挙げられている実例は具体的且つありがちなものばかりで、私自身の少年時代の記憶をも呼び起こし、胸が苦しくなる場面もけっこう有った。しかしながら、息子あるいは娘とのコミュニケーションの大切さを実感させられるとともに、今後の子育てに対し大きなヒントを与えてくれた。子供、特に息子さんをお持ちの方には是非お薦めしたい1冊。自身は、まず以下を心がけることにする。健全な子育ては親の義務であり、今や立派な社会貢献でもあるのだ。
・子供の話にはじっくりと耳を傾ける
・ある事象についての子供の感想を聞く
・同事象についての自身の感想も述べる
・子供に関係の無いイライラを決してぶつけない