(10-008)21世紀の歴史
- 作者: ジャック・アタリ,林昌宏
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2008/08/30
- メディア: 単行本
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フランスの知性、ジャック・アタリがこれまでの歴史を資本主義中心に概観し、21世紀の動向について纏めた本。原書は2006年11月発行とのこと。
資本主義の「中心都市」の変遷をブルージュ、ヴェネチア、アントワープ、ジェノヴァ、アムステルダム、ロンドン、ボストン、ニューヨーク、ロスアンジェルスと追いながら説明し、そこから興味深い教訓を導き出す。
そして、未来。当面は暗黒の時代が描かれており、やや悲観的すぎる感あり。とはいえ、ありえないことではないという考えも捨てきれない。それくらい、現在は混沌としていているから。
最悪の場合を想定して、僕らにできることは何だろう。常に考えていたい。
それにしても日本の政治の頼りなさ。
反対ばかりで具体的な代替案や実行案を持たないまま与党になってしまった党。
少数ながら相手の足元を見て与党になった党。
与党になっても、反対しかせず、具体的な対案さえ示せない党。
そんな情けない党に落とされて、未だ浮上する体制さえ整えられない党。
政局重視で日本の将来なんか蚊帳の外になってしまっている政治。
朝鮮半島に流れる不穏な空気をどの程度鋭敏に感じ取り、どれだけ真剣に考えているのか。。。
アタリの描く日本の将来は真っ暗やったけど、
「そんなことはない!」と真っ向から否定できないのが辛い。