(07-017)エラーは全てに通ず

ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (DOJIN選書)

ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (DOJIN選書)

前書きに「安全に携わる人びとの役に立つことを第一の目標とし、ヒューマンエラーによる事故を防ぐ方法を提供することに力点を置いています。」と書かれている通り、事故防止の理論が簡潔に且つ分かりやすく纏められている。ジェットコースターやエレベータ、システム関連の大きな事故をよく見かける今日この頃だが、そういった意味ではタイムリーな本と言えよう。また、ヒューマンエラーに限らず、最近自分の仕事で苦労している予算取りやプロジェクトマネジメント系の仕事にもいくらでも応用できると感じた。
状況によっては"買い"。
但し、一点納得できない部分あり。中田氏の言う「パソコンの情報フィードバックとして一番信用できるのは、ハードディスクのアクセス動作音です」というのは間違いだろう。なぜなら、CPUが全開で働いている時は、タスクマネージャでパフォーマンスをモニタしてみないとその状況は分からないからである。例えばエクセルで膨大な計算をさせてPCが"かたまった"ように見えるとき、HDDへのアクセスはそれほど無くてもCPUがバリバリ働いていることが多い。それを知らずにHDDへのアクセスが少ないからと思って、イライラの末にリブートして折角のファイルが消えてしまうといった経験をした人も多いのでは。。。実はそのまま放っておけば、「応答なし」のファイルやアプリケーションでもきちんと計算を終了することの方が多いのです。僕の経験上ですが。「一番信用できるもの」を確定することはそれ自体がリスクである。