(06-031)

古代天皇制を考える (日本の歴史)

古代天皇制を考える (日本の歴史)

奇しくも新宮様ご誕生で、天皇家とは何か考える上で、読むには絶好のタイミングの本。
第5章丸山氏の「天皇祭祀の変容」において、地方の国つ神を「恐れ畏ま」る天皇がその国つ神と対等になり、八世紀半ばには国つ神を放逐する権威を持つ存在になるという流れが印象強い。そして天皇祭祀により民衆に深くその存在が浸透していくという論は、現在まで天皇制が存続している理由を考える上で非常に興味深いものだった。また、日清戦争後から日露戦争後まで朝鮮の王が皇帝を名乗っていたことを初めて知った。良くも悪くも日本と中国・朝鮮はからみ合って今日に来ており、現在もその流れが続いていることを改めて認識する。