(06-018)
- 作者: 坂上康俊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/03/08
- メディア: 単行本
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徴税の章が一番興味深かった。徴税する側とされる側の論理のずれにより生じる荒廃と、荒廃を隠すための小手先の対策、それに乗じて富を増やす輩の狡猾さが面白い。
二番目に興味深かったのは、さらなる天皇の象徴化。既に実力を振るっていた大王ではなくなり、外国に対しては自らを「神」と名乗ることができず苦労する様、系譜上の位置によって幼い子供でも天皇となることができ、後ろ盾として力をつけた摂関家が実権を握る様である。今後武家が台頭してくる素地も築かれたことが読み取れる。
三番目、最澄の弟子である円仁の日記を纏めた『円仁 唐代中国への旅 (講談社学術文庫)』を読みたくなった。