(05-059)
- 作者: マイケル・ショワー,松波俊二郎
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/03/03
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 日経BP社
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アメリカにとって本当に深刻な脅威を生むのは、アメリカの文化や社会に対する不満ではなく、自分たちが何よりも敬愛するイスラムの神や信仰や同胞や領土がアメリカによって攻撃されている、という認識だ。つまり、アメリカの国家としての行為こそが、イスラムとの対立をもたらす重要な要因なのである。(上巻 P.46)
元CIAテロ対策担当者でアルカイダ担当部長を務めた著者が、現役時に匿名で出版し、ビン・ラディンとアルカイダを中心に、アフガニスタン情勢、イラク情勢について分析し、米政府を激しく非難した本。イスラム教徒が米国を憎悪し、攻撃をしかけるのは、イスラム世界にに対する米国の政策と行動が原因と断じている。そして、本著で行っている分析は全て一般的に得ることのできる情報を元に実施されており、極秘情報をも活用できず、中途半端な対応に終始する米国政府はビン・ラディンに敗北し続けており、このままでは敗北し続け、国民の犠牲は大きくなるのは必至であると喝破している。
イスラムの視点、ビン・ラディンの視点に立って「9・11」以降の事象が分析・解説されている部分を読んでいると、米国の傲慢性に対する認識が増幅され、イスラム原理主義武装勢力の"正当性"さえ理解しそうになる。ビン・ラディンの脅威が強烈に浮き出ており、現在の日本も大変な危機的状況におかれていることがよくわかる。この日本でも、政治家を選んでいるのは一応国民なのだから。。。二週間後に迫る衆院選挙において、自衛隊のイラク派遣の今後についても重要な争点であることを忘れてはいけない。