(05-038)

在宅で死ぬということ

在宅で死ぬということ

死にゆく家族を見送るとき、どのように支えていけるのか、自分が最期を看取られるとき、どんな生き方あるいは死に方をしたいのか。この本が「死」を人生の終着点として前向きに考え、心の準備をするきっかけになれば幸いです。 (P.3 『はじめに』より)

僕の読書空間のメインは通勤電車だ。けっこうな混み具合の車中で、泣かずに読むのに苦労した。父親として、夫として、子として、兄として、様々な場面を自分に置き換えながら、自分ならどうするだろうかと考えながら読んだから。2話目の『着られなかったウェディングドレス』が一番辛かったのは、父親としての悲しみに一番同調したからだろうか。
著者の押川氏は、これらの話、特に一番最後の章を書くのは本当に辛かっただろう。でも、こういった医療関係者のお陰で、僕らは自分なりの死に様に選択肢を一つ、増やすことができるのだ。