(05-034)

僕の見た「大日本帝国」

僕の見た「大日本帝国」

大日本帝国」の戦争や植民地統治は過去だが、良くも悪くも、僕たちの生きる「現在(いま)」へとつながる過去だ。しかし、残念なことに、この国の教育では僕が知りたかった過去や歴史はほとんど教わることがなかった。過去に拘泥する必要はないが、過去を知る必要はある。きっと、未来だってその先にしかない。

僕の子供達にもいつか読んでもらいたい本である。なので、本棚に置いておくことにする。
日の丸をあしらった派手な装丁から手に取るのを躊躇する人もいるかもしれない。しかしながら右にも左にも傾いていない内容は、全く過激ではない。しつこい程の好奇心を燃料とし、かつて大日本帝国が統治していた場所をじっくりと訪ねてまわり、その場その場で見たこと感じたことを一般的な史実と共に、淡々としかししっかりと語っているものだ。
西牟田氏の目線には、同年代ということもあってか共感を覚えることもしばしばだった。義務教育や新聞だけからは得られない大事なものがここにはある。いい本です。