(05-020)
- 作者: 丹羽宇一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/02/24
- メディア: 単行本
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太い幹をつくろうと思うなら、たえず考えながら本を読むことです。読書でしか得られないもの、それはやっぱり論理的な思考です。物事を掘り下げて考える力や、本質をとらえる力は、読書をすることで養われていきます。(P.126)
自分の能力に謙虚になる、これは非常に大事なことだと私は思います。(P.147)
人は、仕事によって磨かれる。仕事で悩み、苦しむからこそ人間的に立派になるんです。(P.190)
バブル崩壊後の苦境のどん底にあった伊藤忠商事の社長に1998年に就任し、2000年度決算で同社史上最高益を計上した丹羽宇一郎氏からの頑固で力強いメッセージ。当時、無給で働く社長として、雑誌やWEBでも大きく取り上げられていたという記憶から、思わず手に取った。
このくらいトップとして、リーダーとしての覚悟をガシッと持った社長が、グイグイ引っ張っていく組織に属する人たちは、厳しいとはいえ本当に幸せだと思う。人を育てることの重要さを認識し、実行している点などはスバラシイ!
所属する会社に対するもどかしさが増し、先行きの不透明さから来る不安が徐々に濃くなる今日この頃。自分の何を信じ、どうやって前進するか、成長するかを考える上でとても勉強になった。「クリーン、オネスト、ビューティフル」と「自分の能力に謙虚になる」。心に刻み込んでおきたい。
偶然にも先日読んだショウペンハウエルの「読書について 他二篇 (岩波文庫)」からの引用もあり、なんとなく親しみを感じるとともに、読書に対する姿勢を正すいい機会にもなった。