(05-019)
- 作者: 前野隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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「私」とは錯覚する存在である、そして、「私」とは宇宙の周辺または川の下流にいる受動的な存在である (P.106)
哲学や心理学では調べつくされていそうな、『「心」とは何ぞや』『人には何故「心」が生まれたのか』といった疑問を、「意識」はすべてを把握・管理しているという発想を180度変えて、説明している本。ニューラルネットワークを脳内の小びとたちに喩え、前野氏の考えをとても分かりやすく説明している。どうして今までこの様な発想を系統立てて言える人がでてこなかったのだろうと考えてしまう。それこそ、前野氏の発想がまさにコペルニクス的発想の転回といえる理由だと思うが。
前野氏の仮説が今後どの様に証明されていくのか、また哲学者等がどの様に反応するのか見てみたい。第4章(6)が若干発散気味だったのが残念。