(05-014)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

  • 自分の思索で獲得した真理であれば、その価値は書中の真理に百倍もまさる。(P.9)
  • 著者たる者は、読者の時間と努力と忍耐力を浪費させてはならない。(P.73)
  • 読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。(P.127)

初版が1960年だからかなり古い本である。またショウペンハウエルは1860年没の哲学者だから、原書はもっと古い。現代では彼の言う"駄作"は書籍や新聞に留まらず、テレビやインターネットに氾濫している。ネットでは匿名が当たり前にもなっている。そんな現代に彼が現れたらどんな辛辣な言葉を吐き出すか、聞いてみたいものである。
匿名で駄文をここで披露している私は、居心地の悪さを自覚しながら本著を読んだ。しかしながら、今後ものを書いたり読んだりする上で、非常に参考になる本だった。まずは考えること。次に簡潔な文章を書けるようになること。そして、気に入った書籍は考えながら読み、読み終えてから考え、さらに読み返しながら考えるといったことを試していきたい。