(05-007)

EQマネージャー

EQマネージャー

  • 四つの感情能力
    • 感情の識別:感情に含まれている客観的な情報を正確に認識し、表現するために必要な能力であり、望ましい意思決定や適切な行動をとるための鍵となる
    • 感情の利用:思考を促進するために必要な能力であり、感情と思考を一致させることで、複眼的に物事を見たり、創造的な思考を行うことができる
    • 感情の理解:感情に関わる原因と結果に関する知識であり、感情の未来を予測し、分析することを可能にする
    • 感情の調整・管理:自分と他人の感情を活用し、行動と感情を知的に統合する能力であり、意図的に感情を活用した行動を取るために必要不可欠である
  • EQの六つの原則
    • 感情は情報である
    • 感情を無視しようとしても上手くできない
    • 人は自分が考えるほど、上手に感情を隠すことはできない
    • 効果的な意思決定をするためには感情を組み入れる必要がある
    • 感情は論理的な流れに従う
    • 感情の普遍性が存在すると同時に、特有性も存在する

自分の感情にしろ、他の人の感情にしろ、それがポジティブであれ、ネガティブであれ、その感情を受け止め、賢く利用するという主旨は理解できた。ただ、この実践はナカナカ難しい。
私の場合、自分の感情を管理する上で一番のキーとなるのは「怒り」だろう。今までもこの感情にはずっと手を焼いてきた。本書の怒りの管理の仕方はかなり参考になった。また、自分の気持ちを楽観的なものにしたり悲観的なものにしたりということは結構普通に実施してきたのでそれほど難しくないと考えている。ただ、どういった場面でどちらの感情を強めるのが適切か本書は教えてくれた。
他の人の感情について、私はどのように考えていたのだろう。昔から人の表情を観察する事はあっても、利用したりすることは無かった。仕事の中で、他の人の感情(主に怒りと不安)をことさら重視するようになったのは最近で、現在は発展途上である。そういった意味で、本書を読んだタイミングは良かったかもしれない。
本書最後に引用されていたシルバン・トムキンスの言葉(以下引用)は肝に銘じておきたい。

理性と感情の結合によって、明確さと情熱という結果が得られる。感情を伴わない理性は無力で、理性をともなわない感情は盲目だ。