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君たちはどう生きるか (ジュニア版 吉野源三郎全集)

君たちはどう生きるか (ジュニア版 吉野源三郎全集)

原書の出版は1937年で、日中戦争突入の時期である。その時代背景を鑑みると、本書の思想が若干偏り過ぎているのも仕方無いと思うし、その時代に本書を発行できたことには驚きも感じる。

「どう生きてゆこうか」と考えたり、「どう生きてゆくのが正しいのだろうか」と疑ったりするのは、人間が人間であるという証拠ともいえることなのです。

まず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実、心を動かされたことから出発して、その意味を考えていくことだと思う。

あたりまえのことというのがくせものなんだよ。わかりきったことのように考え、それでとおっていることを、どこまでも追っかけて考えていくと、もうわかりきったことだなんて、いっていられないようなことにぶつかるんだね。

ぼくたちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だからあやまりを犯すこともある。
しかしー
ぼくたちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから、あやまりから立ちなおることもできるのだ。

僕自身、この本に小学校や中学校で出合えていたら。。。と思った。少なからず、僕の生き方に影響を与えただろう。
今、娘は8歳、息子は3歳。娘でも、まだこの本の全てを理解することは困難だろう。この本の全てが正しいわけでもない。全てが正しいものなど無い。でも、一緒に読みながら、一緒にあれやこれやと話をするのはいいかもしれない。小学校上級生になり、中学生になるまでに何度も読む価値はある本だと思う。
二人とも、いずれこの本の主人公、コペル君と同様に様々なことに思い悩む時期が来るのは間違いない。娘は既に悩んでいるかもしれない。
小学校時代に父親、あるいは母親と一緒にこの本を読む意味は大きい。