「モダンタイムズ」への逆行】(日経BP)

我々現代のビジネスパーソンは再びモダンタイムズの時代に引き戻されて、大量の情報機器に仕事のペースをコントロールされるように状況が逆行しつつあるのではないか。生産性をあげるためのあらゆる先進的なツールがベルトコンベアーのように情報を流していく。電子メールは処理しても処理しても到着する。仕事の進むペースが速くなりすぎて、徐々にペースをコントロールする主導権を奪われてしまう。

冷静に考えてみれば分かるが、書類の生産性があがることがそのまま会社の生産性をあげることにつながるわけではない。意義のある書類の生産性があがったことによる業務生産性のプラスの効果と、意味のない書類の生産性が増加したことによる業務ロスのマイナスの差し引きでトータルを見るとどうなるか。実は誰も計算したことがないのである。

どんなに便利なものでも、所詮それはツールであり、生産性はそのツールの使用者次第である。結局は"人"だと思う。
Officeアプリの活用で、誰でももっともらしい資料の作成が容易になったのは事実だ。しかしながら、一見見栄えの良い資料でも、何を主張したいのか分からないものは多い。メールでも、無駄に長いものを多く受信する(これは私も反省)。資料もメールもお手軽にじゃんじゃん量産可能なのである。結局、要領が悪いとツールに振り回されてしまうのだ。
では、振り回されずに利用するにはどうしたら良いのか。私が実施しているのは以下である(依然不十分のものもあり)。
1. 資料・メールは簡潔・明確に作成 => 受け取る人の稼動軽減
2. プリントアウトは極力せず、会議資料は事前配布で出席者持参をお願いする => 内容に目を通していただけるし、無駄な印刷をしなくて良い
3. 不要ハードコピーは即座に裁断・廃棄 => 大概ソフトコピーが手に入る
4. メールの受信ボックスを"ToDoリスト化"する => 不要メールは即削除、対処済メールは該当フォルダへ移動
5. 当然、受信ボックスの残件は常時最少に留める努力をする
6. 会議は極力実施しない => 以下のケースは開催が必要

  • 複雑且つ重要な問題を議論する場合
  • 様々な意見が多方面から出てくると予想される場合
  • 関係者が多く、結論を早急に出す必要がある場合
  • プロジェクトの進捗確認(プロジェクトメンバのコミュニケーションが密になる)

7. 会議議事は事前に出席者にメールで配信し、会議開催前に議事録案を作成しておく => 印刷して会議に持参
8. 家では仕事をしない