「2人目を生まない」理由について考える】(日経BP 1/11)

男性はなにを考えているのだろうか。他人事として論評するのではなく、自分自身の問題としてどう対処し、行動しているのか。「子育てするパパ」の記事や話は耳にするが、やはり特殊なケースだ。ごくふつうの男性たちは、悩んでいるのだろうか。

少なくとも私にとって、子育ては大変だが、それを上回るボリュームで刺激的且つとても楽しいものだ。二人目も心から欲し、幸運にも授かることができた。住居スペースの広さは十分とは言えないが、そこは家族全員で相談しながら、工夫して乗り切るしかないだろう。一緒に本を読み、一緒に遊び、一緒に料理する。子供が手を離れてしまうまでほんの十数年だ。貴重な時間を楽しみたい。何よりも子供達からは信じられないくらい大きなエネルギーをもらっている。
辰巳さんは「子育てするパパ」は「特殊なケース」だとおっしゃっているが、本当にそうか? 私の周りには、子育てに参加している父親の方がむしろ多いように感じる。反面、専業主婦の家でも意外に一人っ子が多いのも事実。理由は、不十分な住居スペース・晩婚と将来かかるであろう莫大な教育費への不安といったところか。私達夫婦が3人目をあきらめた理由はまさにそのスペース不足と教育費への不安にある。もちろん、共働きの家庭は保育所や家事分担の問題等も大きな素因として当然加わるものと思うし、2人目の段階から超えなければならないハードルはより高くなるのだろう。
では、2人目を生む夫婦を増やすにはどうしたらいいのだろう。以下さえかなえば、我が家は3人目をもつ余裕も生まれるだろう。
一番は、土地の値がもっと下がり、より広い住居により安く住むことができれば良い。そしたら教育費負担に廻すことが可能になる。二番は、その教育費負担の軽減。せめて公立中学・高校の学費はそのままか若干上げていただいてもかまわないので、教育の質は塾に行かなくても良い程度まで上げてもらいたい。大学も国立大学の学費は年々上がり続けている。質は上がっているとは思えないのにである。