武王の門(上) (新潮文庫)

武王の門(上) (新潮文庫)

武王の門(下) (新潮文庫)

武王の門(下) (新潮文庫)

歴史小説は好きなジャンルの一つである。最初に白状しておくと、私は同じ本を2度以上読むことはあまり無い。今日読み終わったこの本は4年程前に購入して、読んだのは今回で3度目である。本作品は1989年に刊行されており、小説は1993年に初版が発行されている。従い、「今更…」といった感もあるが、面白かったので記録。本書の舞台は南北朝時代の九州、主人公は後醍醐天皇の皇子で南朝征西大将軍に任命された懐良親王である。時代/主人公どちらとも珍しい選択で、戦国時代から幕末にかけての小説ばかり読んでいた私にとっては新鮮な小説だった。最後に一抹の寂しさの様なものが胸に残るところが切ないが、感動がいたるところにちりばめられている読み応えのある2冊である。因みに、続編の『陽炎の旗 (新潮文庫)』はイマイチかなぁ。

  • 印象に残った言葉: 「不運は嘆くまい、泰季。天の定めるところに生きて、自らに恃じなければよいのだ」by 15歳の懐良親王