(09-023)粋

江戸「粋」の系譜 (アスキー新書)

本書では現代日本の文化･産業の原型は「江戸」に散見され、
「粋」という美意識がその根底に流れているとする。

小泉内閣が推し進めた「構造改革」により「江戸時代に栄えていた全国の地方都市の文化も経済をも疲弊させてしまった（P.84）」というかなり極端な考え方や、「江戸文化」の一般的な理解がさも間違っているような記載のされ方には辟易した。

しかしながら、歴史は時代によっていいように「事実」を組み込んで物語にしているとしている点や、西洋の科学技術の枠に留まらない、日本人の工夫や遊びを整理されている点は面白かった。

ちょっとした読み物としては、まぁいい。