(08-026)Uneasy Warriors

不安な兵士たち ~ニッポン自衛隊研究

不安な兵士たち ~ニッポン自衛隊研究

個々の自衛隊員が考えていること、自衛隊という組織が考えていることを多くの調査をベースに社会学者という視点で分析した本。
若干ジェンダー問題に焦点を当てすぎている感もあるものの、自衛隊のかかえる様々な矛盾に光を当てることは成功している。
ともあれ、自衛隊とは何か考えるためには、近代以降の歴史をしっかりと勉強する必要があるだろう。日本の義務教育では、明治以降の歴史は学年の最後にすっ飛ばして進むため、本当に記憶に残りにくいのだ(少なくとも僕らが小中学生だった頃は)。その時その時の国の決断や歴史的事象についてじっくりと考える余裕さえない。また、僕らが子供の頃の8/6は夏休みに3日ある登校日の一つで、半日かけて平和教育を受けていた(たとえそれが一方的に偏ったものであっても)。今の子供はそういった特別な日さえ準備されておらず、歴史の一ページとしてアジア太平洋戦争を勉強しているだけだ。結局、興味を持った個人が自発的に勉強しないと何も分からない。戦後六十数年、そろそろ国としてしっかりと歴史に向き合い、子供達にしっかりと教えるべきではないだろうか。