(08-007)メフェナーボウンのつどう道

メフェナーボウンのつどう道

メフェナーボウンのつどう道

舞台は終戦間近のビルマ。ラングーンの兵站病院に勤務する日赤看護婦が300km強先にあるモールメンを目標に撤退する様を描いた本。
「メフェナーボウン」とはビルマ語で「仮面」のことだそうだ。誰だって厚薄の差はあれ仮面は付けているのだろう。ただ、戦地で敵から逃れようとする人間はその仮面が剥がれ易く、それ故に仮面の存在を際立たせているということだろうか。それとも自らの仮面を意識せざるを得ないような環境が戦地だということだろうか。いずれにしろ、僕自身の被っている仮面について考える機会はあまりないので、そういった意味では読んで良かったのかな。しかしまあ、登場人物の年齢層が把握し辛く、仮面の内側を想像し辛かったところが難点。