(07-018)織豊政権

織豊政権と江戸幕府 (日本の歴史)

織豊政権と江戸幕府 (日本の歴史)

本書は織田信長の上洛から豊臣氏滅亡までの約50年を扱ったもので、著者が「英雄たちがその血塗られた手で権力を握ったことを忘れず、被支配者側からの視点を失わないようにして、この時代をみていきたい」と述べているように、この時代の英雄を描いた一般的な歴史小説とはその観点を異にしている。
この時代は小学生の頃から興味があり、様々な歴史小説(歴史書や資料ではない)をそれなりに読んできたので、目新しい情報への期待感はかなり低かった。それに反して本書は、信長の室町幕府の機能に対する評価、信長や秀吉、家康が行なった政策がそれほど単純ではないこと等々、僕にとっては新鮮な視点をいくつも提供してくれた。読んで良かった。