(06-044)蒙古襲来と徳政令 日本の歴史〈10〉

蒙古襲来と徳政令  日本の歴史〈10〉

蒙古襲来と徳政令 日本の歴史〈10〉

とても読み難い本。時間があちらこちらに飛び、問い掛けへの答えは忘れた頃にやってくる。加えて、鎌倉時代の終焉部分や蒙古襲来の背景があまりにも薄すぎる。
とはいえ、銅銭を鋳つぶして鐘を作る話、志賀島が王家領荘園だった可能性、金沢文庫に眠る南北逆の西国地図、都市民が自由に(?)出入りできる鎌倉時代の朝廷など、目新しい話もいくつかあった。また、著者の筧氏は鎌倉時代の朝廷の強みは「市(都市民)と朝廷との、形而上の次元における一体化」にあると説く。本書からは僕が今まで持っていた印象以上に、朝廷が存在感を持って力強く息づいていたのが読み取れた。