(06-012)

モンゴル帝国の興亡<上> (講談社現代新書)

モンゴル帝国の興亡<上> (講談社現代新書)

モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)

モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)

13世紀から14世紀にかけてユーラシア大陸の大部分をその勢力圏としたモンゴル帝国を、『集史』等の歴史書から得られる事実と著者の類稀なる分析と想像を以って描いた本。
本著は先月読んだ村上龍氏の「希望の国のエクソダス」の参考文献として紹介してあったものだ。
モンゴルの歴史というと「元寇」「騎馬民族」「万里の長城」程度のことしか思い浮かばなかった(レベルが低いというだけのことだが)。まさかこんなに巨大で文化的にも経済的にも進んでいた帝国だったなんて! ユーラシア大陸の東西に広がる勢力圏、モンゴル遠征軍の有り様、著者の「元寇」の説得力のある説明、「塩引(えんいん)」と銀をリンクさせた経済運営、多種族の共存等、驚きの連続だった。読んで良かった。