(06-008)

希望の国のエクソダス

希望の国のエクソダス

舞台はバブル崩壊数年後の日本、主人公は一斉に不登校となった中学生達。彼等が希望のない国日本の大人社会を見捨て、新たな社会を切り開いていくという話。
本著に出てくる数字はどこまでが現実のものなのだろうか。2005年現在、幸い日本は本著で描かれているほど悪い状態にはまだなっていない。しかしながら、大マスコミの報道姿勢、政治や教育の現状を鑑みると、危機はペッタリと横たわっていると思う。様々な登場人物が語る言葉にドキリとさせられ、時には自分の足元を見つめ、不安と恐怖を感じることもあった。仕事をする上でも、子供を育てる上でも、考える材料がいたるところにちりばめられている。奇抜なアイデアは面白かったし、読んで良かった。