(06-007)

縄文論争 (講談社選書メチエ)

縄文論争 (講談社選書メチエ)

このくらい古い時代になると、時代の境の定義(ここでは縄文と弥生だが)さえ、発見されている事実とそれぞれの学者の想像力で変わる。藤尾氏のように、コメのもつ食料以外の機能、すなわち交換財的役割に縄文人が農耕に向けて一線を越えた文化的刺激があったと考えるのは面白い。つまり、比較的長期間保存でき、その価値がその期間でそれほど大きく変わらない食料であるコメに貨幣的価値を見出したということだろうか。今しばらく、この時代を読んでみたいと思う。