(05-005)
- 作者: アレックスシアラー,杉田比呂美,Alex Shearer,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 求龍堂
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 単行本
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ほんとは、ぼくも落ちついてないんじゃないか、なにかやり残したことがあるんじゃないかって。
本人はきっと、あぶないとこだったなんて気づいてもいない。そんなこと、気づく人はいないか。あぶないところをのがれたなんて、たいてい気づかない。気づくのは、のがれられなかったときだけだ。
最悪なのは、もう仲直りができないことです。それがいちばんつらいです。
突然の事故で「この世」に思いを残したまま「あの世」に行ってしまった少年の話。確かに悲しく、暗くなりがちなテーマだが、主人公の少年とその友人の明るい性格で、ストーリー全体が柔らかな明るさの中にある。ジュニア版なので表現がやさしいのかもしれない。
できることなら、「やり残したこと」なんて無いほうがいい。でも、既に「やり残したこと」は積み上がっている。普段はやらなければならないことを優先し、そして言い訳にして、「やり残したこと」は放置しがちである。突然の不幸の場合に限らず、「やり残したこと」を解決する機会を完全に失ってしまうことはある(本当は完全に失うことはありえないのだろうが)。今からでも遅くないかもしれない。「やり残したこと」を少しずつでもいいから解決していきたいと思う。